朝活は何時から始めるべき?脳科学が教える最適な時間と、あなたに合った朝活の見つけ方

朝活は何時から始めるべき?脳科学が教える最適な時間と、あなたに合った朝活の見つけ方

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「朝活を始めたいけど、何時に起きればいいんだろう?」

そんな疑問を持っているあなたへ。SNSでは「5時起き」「4時起きで人生が変わった」なんて投稿を見かけるけれど、本当にそんなに早く起きる必要があるのか、不安になりますよね。

結論から言うと、朝活の最適な時間は「あなたの体質と生活リズムによって変わる」のです。

一般的には5時〜7時に始める人が多いですが、実は朝型・夜型といった「クロノタイプ」は遺伝子で約50%が決まっていて、誰もが早起きに向いているわけではありません。夜型の人が無理に早起きすると、むしろ生産性が下がるという研究結果も出ています。

この記事では、脳科学の観点から朝活に最適な時間帯を解説しつつ、あなた自身に合った朝活の始め方をご紹介します。自分のクロノタイプを知り、無理なく続けられる朝活を見つけましょう。

目次

  1. 朝活は何時から始めるのが最適?一般的な時間帯と科学的根拠
  2. なぜ朝が良いのか?「脳のゴールデンタイム」の科学
  3. 【重要】あなたは朝型?夜型?クロノタイプを知ろう
  4. 夜型の人は朝活を諦めるべき?科学が示す答え
  5. 自分に合った朝活時間の見つけ方【計算式付き】
  6. 朝活を成功させる5つのコツ
  7. 朝活で何をする?時間帯別おすすめ活動
  8. まとめ:朝活は「何時から」より「あなたに合っているか」が重要

朝活は何時から始めるのが最適?一般的な時間帯と科学的根拠

一般的には5時〜7時、特に5時半〜6時半が人気

朝活を実践している人の多くは、5時〜7時の間に活動を開始しています。

実際のアンケート調査によると、朝活経験者の約43%が「5時〜6時」に活動を開始しており、これが最も多い時間帯です。次いで「6時〜7時」が人気で、この2つの時間帯で全体の約7割を占めています。

なぜこの時間帯が選ばれるのか?理由は主に3つあります:

  • 静かで集中できる:通勤客も少なく、外出する場合も人が少ない
  • 仕事前に1時間程度確保できる:9時出社なら準備時間を考えても十分
  • 朝日を浴びられる:季節にもよるが、6時前後なら日の出を体験できる

でも「何時から」という明確な決まりはない

朝活に「これが正解」という決まった時間はありません。

朝活のエキスパートである池田千恵さんは、「始業前の30分〜1時間を自分のために使うこと」を朝活と定義しています。つまり、9時出社なら7時半〜8時から始めてもOKですし、10時出社なら8時〜9時でも立派な朝活なのです。

大切なのは**「いつもより早く起きて、自分のための時間を作る」**という点。極端な話、午前中であれば朝活と言えます。

「出勤・通学の1〜2時間前」という考え方

自分に合った朝活時間を見つける簡単な方法があります。

朝活開始時間 = 仕事開始(出社)時間 - 朝活をしたい時間(1時間程度) - 準備時間(30分〜1時間)

例えば9時出社で、1時間の朝活をしたい場合:

  • 8時に家を出るなら → 7時に準備開始 → 6時に起床して朝活
  • 9時に職場に着くなら → 8時に準備開始 → 7時に起床して朝活

このように逆算すれば、無理のない朝活時間が見えてきます。


なぜ朝が良いのか?「脳のゴールデンタイム」の科学

朝活が注目される最大の理由は、朝の脳が1日で最も効率よく働く「ゴールデンタイム」だからです。

脳科学者が語る朝の特別な時間

脳科学者の茂木健一郎氏は、「朝目覚めてからの約3時間は、脳が最も効率よく働くゴールデンタイムだ」と述べています。

なぜ朝の脳がそんなに優れているのか?

**睡眠中、脳は1日の情報を整理整頓しています。**寝ている間に記憶の仕分けを行い、重要なものはしっかり保存し、不要なものは削除する。まるでパソコンのデフラグのように、脳内を整理してくれるのです。

だから朝起きたときの脳は「ちりひとつない、まっさらな状態」。散らかった机とピカピカに整理されたデスクでは、どちらが仕事がはかどるか、言うまでもありませんよね。

一方、作業療法士の菅原洋平氏は「起床4時間後」に脳がもっとも活発になると指摘しています。つまり6時起床なら10時、7時起床なら11時がピークということです。

両方に共通しているのは「午前中、特に起床後の数時間が脳のベストタイム」という点です。

朝に分泌される重要なホルモン

朝の脳がすごいのは、時間帯だけの問題ではありません。朝に分泌される脳内物質が、私たちのパフォーマンスを劇的に高めてくれるのです。

セロトニン:脳の指揮者

朝日を浴びると、脳内で「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。セロトニンは脳のオーケストラの指揮者のような存在で、感情のコントロールや覚醒を司っています。

精神科医の樺沢紫苑氏は、セロトニンが分泌されている状態を「まるで僧侶が座禅を組んでいるときのように、心が平穏で、集中力が研ぎ澄まされている状態」と表現しています。

セロトニンの分泌は午前中に最も盛んで、午後から夜にかけて低下し、睡眠時には休止します。だからこそ、朝の時間は集中作業に最適なのです。

コルチゾール:覚醒と集中のホルモン

朝、私たちの体内では「コルチゾール」というホルモンも分泌されます。コルチゾールは起床後30〜40分でピークを迎え、その後ゆっくりと低下していきます。

このコルチゾールの朝のピーク(コルチゾール覚醒反応)は、体を活動モードに切り替え、認知機能を高める働きがあります。適度なコルチゾールは、記憶力や注意力を向上させることがFramingham Heart Studyなどの研究で明らかになっています。

ドーパミン・アドレナリン:やる気と集中力を高める

朝、脳が睡眠状態から覚醒状態にシフトしていく過程で、ドーパミンやアドレナリンといった脳内物質も分泌されやすくなります。

ドーパミンは「快感」「やる気」を生み出す物質で、これが分泌されている時間帯には、苦手なことや難しいことにも取り組みやすくなります。アドレナリンは血糖値を上昇させ、集中力を高めてくれます。

つまり朝は、脳がリセットされているだけでなく、パフォーマンスを最大化する物質が次々と分泌される、まさに「脳のゴールデンタイム」なのです。


【重要】あなたは朝型?夜型?クロノタイプを知ろう

ここまで「朝は脳のゴールデンタイム」という話をしてきましたが、実はすべての人が朝型に向いているわけではありません。

「早起きしたいのに起きられない」「朝活を始めても続かない」という悩みは、あなたの努力不足ではなく、生まれ持った体質が関係している可能性があります。

クロノタイプとは何か?

クロノタイプとは、一人ひとりが持つ体内時計のパターンのことです。

「朝型」「夜型」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは単なる生活習慣の違いではありません。近年の研究で、クロノタイプは遺伝子によって約50%が決まっていることが明らかになりました。

体内時計をコントロールする「時計遺伝子」と呼ばれる遺伝子が存在し、その中でもPER3、CLOCK、BMAL1などの遺伝子が朝型・夜型の傾向を決定づけています。

英国の研究チームによると、351個ある時計遺伝子のうち、最も多く持っている上位5%の人は、最も少ない下位5%の人と比べて、平均で25分早く眠りにつくそうです。つまり、朝型の人が早く眠くなるのも、夜型の人が夜に活動的になるのも、遺伝子によって決められていることなのです。

日本人のクロノタイプ分布

日本人1000人以上を対象にした調査によると、クロノタイプの分布は以下のようになっています:

  • 中間型:約40%(最も多い)
  • 朝型:約30%
  • 夜型:約30%(強い夜型を含む)

実は、日本人は「朝型よりも夜型が多い」という傾向があります。にもかかわらず、多くの企業や学校は朝型のスケジュールで動いているため、夜型の人は常にストレスを抱えながら生活していることになります。

5つのクロノタイプとその特徴

クロノタイプは、より詳しく見ると5つに分類されます:

1. 強い朝型(早朝型)

  • 自然に早朝4〜5時に目が覚める
  • 午前中の早い時間にパフォーマンスがピーク
  • 夜は20〜21時には強い眠気を感じる

2. 朝型

  • 5〜6時の起床が苦にならない
  • 午前中にもっとも調子が良い
  • 22〜23時には自然に眠くなる
  • 穏やかで落ち着いた性格、責任感が強く勤勉な傾向

3. 中間型

  • 朝型にも夜型にもなれる柔軟なタイプ
  • 朝目覚めて、お昼前後にパフォーマンスのピーク
  • 夜は日付が変わるころに眠くなる
  • 生活環境によって朝型・夜型どちらにも適応可能

4. 夜型

  • 朝は起きるのが難しい
  • 午後から夕方にかけて徐々にパフォーマンスが向上
  • 深夜0時を過ぎても活動的でいられる
  • クリエイティブな作業や集中力が必要な仕事に強い傾向

5. 強い夜型(深夜型)

  • 午前中は本調子ではない
  • 深夜1〜3時がもっとも集中できる
  • 朝の早起きは非常に苦痛

クロノタイプは年齢とともに変化する

興味深いことに、クロノタイプは生涯を通じて変化していきます。

  • 小学生時代:朝型が多い
  • 10代後半〜20代前半:最も夜型に傾く(大学生が朝起きられないのは当然!)
  • 30代〜40代:徐々に朝型にシフト
  • 50代以降:再び朝型が増える

「若い頃は夜型だったのに、最近朝早く目が覚める」という経験がある人も多いのではないでしょうか。これは老化ではなく、自然なクロノタイプの変化なのです。

遺伝子だけじゃない:環境要因も影響する

クロノタイプの50%は遺伝で決まりますが、残りの50%は環境要因によって変わります。

特に影響が大きいのが**「どの時間帯に太陽光を浴びるか」**です。

朝の光を浴びると体内時計がリセットされ、朝型に近づきやすくなります。逆に、夜遅くまで強い光(スマホやパソコンの画面など)を浴びていると、夜型に傾いていきます。

また、睡眠不足や食事のタイミング、運動習慣なども体内時計に影響を与えます。

つまり、遺伝的に夜型でも、生活習慣を整えることで、ある程度は朝型生活に適応することは可能なのです。


夜型の人は朝活を諦めるべき?科学が示す答え

「朝活は良いって聞くけど、自分は夜型だから無理かな…」

そう思っているあなたに、科学が示す重要な事実をお伝えします。

東京医科大学の研究:夜型の人が早起きすると生産性が低下

2022年、東京医科大学の志村哲祥兼任講師らによる興味深い研究結果が発表されました。

約8000人を対象にした分析で、夜型人間が早起きすると仕事の生産性が落ち込むことが明らかになったのです。

朝型の人が夜更かししたり、夜型の人が早起きしたりすることで、プレゼンティズム(出勤しているが体調不良などで生産性が低下している状態)のリスクが高まることがわかりました。

つまり、「早起きは三文の得」とは限らず、夜型人間にとっては「早起きは三文の損」になる可能性があるのです。

「社会的ジェットラグ」という見えないストレス

夜型の人が朝型社会に無理に合わせ続けると、「社会的ジェットラグ(Social Jet Lag)」と呼ばれる状態に陥ります。

これは、自分の体内時計と社会の時間のズレから生じる慢性的な時差ボケのようなもの。平日は無理に早起きして、週末に寝だめをする…という生活パターンは、まさに社会的ジェットラグの典型例です。

社会的ジェットラグは、以下のような問題と関連していることがわかっています:

  • 慢性的な睡眠負債
  • 抑うつ状態のリスク増加(夜型の人は朝型の人の2.83倍)
  • 肥満や生活習慣病のリスク上昇
  • 免疫力の低下

夜型の人が朝活をする場合の3つの鉄則

では、夜型の人は朝活を完全に諦めるべきなのでしょうか?

答えはNO。でも、やり方を工夫する必要があります。

鉄則1:睡眠時間を絶対に削らない

青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長の中村真樹氏は、こう警告しています。

「朝活をしたのに仕事を早く切り上げることができずに残業して、寝る時間が遅くなってしまうと、必要な睡眠時間を確保できなくなってしまうので、あまりおすすめできません」

朝活のために睡眠時間を削ると、日中のパフォーマンスが下がり、本末転倒です。夜型の人は特に、無理な早起きが睡眠の質を悪化させやすいので注意が必要です。

鉄則2:段階的に調整する

いきなり2時間早く起きようとするのは失敗のもと。

まずはいつもより30分早起きから始めましょう。それに慣れたら、さらに30分…というように、徐々に体を慣らしていくのが成功の秘訣です。

島根大学の宮崎亮准教授の研究でも、遺伝的な朝型・夜型の影響は生活習慣である程度調整できることが示されています。ただし、それには時間がかかります。焦らず、ゆっくり進めましょう。

鉄則3:完璧を目指さない

毎日5時起きを目標にすると、続かなかったときの挫折感が大きくなります。

週2〜3回、できる範囲で朝活をするという目標設定がおすすめです。「できたらラッキー」くらいの気持ちで始めると、プレッシャーが減って続けやすくなります。

夜型の人向けの代替案:「プチ朝活」と「午活」

フルで朝活をするのが難しい夜型の人には、2つの選択肢があります。

選択肢1:プチ朝活

1時間の朝活が厳しいなら、15〜30分だけ早く起きて朝日を浴びることから始めましょう。

これだけでも体内時計がリセットされ、セロトニンが分泌されて、1日のスタートがスムーズになります。カーテンを開けて窓辺で深呼吸する、ベランダに出て空を見る…それだけでOKです。

選択肢2:午活(午後の活動)

無理に朝型に合わせるのではなく、自分のパフォーマンスが高まる午後〜夕方の時間を有効活用するという発想の転換も大切です。

夜型の人は午後から集中力が高まるので、重要な仕事や勉強はその時間帯に集中させ、朝は比較的負荷の低いタスクに充てる…という時間管理も一つの方法です。

**大切なのは、自分のクロノタイプを無視せず、体に合ったリズムで生活すること。**無理な朝活よりも、自分に合った時間の使い方を見つける方が、長期的には生産性が高まります。


自分に合った朝活時間の見つけ方【計算式付き】

ここまでクロノタイプの話をしてきましたが、「じゃあ、結局自分は何時に起きればいいの?」という疑問が残りますよね。

ここでは、あなたに最適な朝活時間を見つける実践的な方法をご紹介します。

ステップ1:自分の必要な睡眠時間を知る

まず大前提として、十分な睡眠時間を確保することが最優先です。

一般的には7〜8時間の睡眠が推奨されていますが、これには個人差があります。ショートスリーパーの人は6時間で十分ですし、ロングスリーパーの人は9時間必要かもしれません。

自分の最適な睡眠時間を見つける方法:

  1. 1週間、アラームなしで起きてみる(可能であれば)
  2. 自然に目が覚めるまでの時間を記録する
  3. 日中に強い眠気を感じない睡眠時間を見つける

スマートウォッチや睡眠アプリを使えば、睡眠の質も可視化できるのでおすすめです。

ステップ2:起床時間を決める

次に、朝活を含めた起床時間を決めます。

基本の計算式:起床時間 = 仕事開始(出社)時間 - 朝活時間 - 準備時間 - 通勤時間

具体例:9時出社の場合

パターンA:1時間朝活したい

  • 9時出社
  • 通勤30分 → 8時半に家を出る
  • 準備1時間 → 7時半に準備開始
  • 朝活1時間 → 6時半起床

パターンB:30分だけ朝活したい

  • 9時出社
  • 通勤30分 → 8時半に家を出る
  • 準備1時間 → 7時半に準備開始
  • 朝活30分 → 7時起床

パターンC:在宅勤務の場合

  • 9時仕事開始
  • 準備30分 → 8時半に準備開始
  • 朝活1時間半 → 7時起床(通勤時間がない分、朝活に充てられる!)

このように、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に設定しましょう。

ステップ3:就寝時間を逆算する

起床時間が決まったら、就寝時間を逆算します。

計算式:就寝時間 = 起床時間 - 必要な睡眠時間

具体例:

6時半起床で7時間睡眠の場合

  • 6時半 - 7時間 = 23時半就寝

6時半起床で8時間睡眠の場合

  • 6時半 - 8時間 = 22時半就寝

ただし、布団に入ってすぐ眠れるわけではないので、入眠に30分かかると仮定して、30分早めに布団に入るのが理想的です。

つまり、7時間睡眠を確保したいなら23時には布団へ、8時間なら22時には布団へ…という計算になります。

ステップ4:クロノタイプ別の調整

ここまでの計算式は基本形ですが、自分のクロノタイプによって微調整が必要です。

朝型の人

  • 上記の計算式そのままでOK
  • むしろもう少し早く起きても大丈夫
  • 22時〜23時就寝、5時〜6時起床が最も快適

中間型の人

  • 上記の計算式を基準に、調子を見ながら調整
  • 23時〜0時就寝、6時〜7時起床が標準的

夜型の人

  • まずは現在の起床時間から30分早めることから
  • 0時〜1時就寝、7時〜8時起床でもOK
  • 無理に5時起きを目指さない

失敗しないための3つのポイント

ポイント1:休日も同じリズムを保つ

平日だけ早起きして、休日は昼まで寝る…というパターンは体内時計を乱します。休日も起床時間を±1時間以内に抑えると、リズムが安定します。

ポイント2:最初の2週間が勝負

新しい生活リズムに体が慣れるまで、約2週間かかります。この期間が最もつらいですが、乗り越えれば楽になります。

ポイント3:記録をつける

起床時間、就寝時間、日中の眠気、朝活の内容を簡単に記録しましょう。パターンが見えてくると、自分に合った時間が明確になります。


朝活を成功させる5つのコツ

計算式で時間を決めても、実際に続けるのは別問題。ここでは、朝活を習慣化するための実践的なコツをご紹介します。

1. 睡眠時間を絶対に削らない

何度も繰り返しますが、これが最重要です。

朝活のために睡眠時間を削ると、日中のパフォーマンスが下がり、長期的には健康を害します。

必要な睡眠時間(最低6時間、理想は7〜8時間)を確保した上で、就寝時間を早めることで朝活時間を作りましょう。

夜の時間の使い方を見直すのも効果的です:

  • スマホを触る時間を減らす
  • テレビを見る時間を決める
  • 夕食後のダラダラ時間を短縮する

2. 朝日を浴びる習慣をつける

起床後、すぐにカーテンを開けて朝日を浴びましょう。

これだけで体内時計がリセットされ、セロトニンが分泌されて脳が覚醒します。曇りの日でも、外の光は室内照明の何倍も明るいので効果があります。

可能なら、ベランダや庭に出て外気に触れるのがベスト。散歩に出かけるのも最高ですが、無理なら窓際で深呼吸するだけでもOKです。

3. 楽しい・嬉しいことから始める

朝活で挫折する最大の理由は「つらい」から。

池田千恵さんが提唱する朝活継続のキーワードは**「うれしい」「楽しい」「気持ちいい」**です。

資格の勉強やスキルアップも良いですが、最初はハードルを下げましょう:

  • 好きなカフェでモーニング
  • お気に入りの音楽を聴く
  • 好きな本を読む
  • 美味しいコーヒーを淹れる
  • ヨガやストレッチで体を動かす

「朝起きるのが楽しみ」と思えることを見つけるのが、継続の秘訣です。

4. 明確な目標を設定する

「なんとなく朝活」では続きません。数字で測れる具体的な目標を立てましょう。

良い目標の例:

  • TOEIC800点を取るために、毎朝30分英語を勉強する
  • 3ヶ月で5kg痩せるために、毎朝30分ジョギングする
  • 副業で月5万円稼ぐために、毎朝1時間ブログを書く

目標が明確だと、「今日はいいか…」という誘惑に負けにくくなります。

ただし、「本音の目標」を設定することが大切。「周りがやっているから」「意識高い人になりたいから」という理由では続きません。

5. 無理せず段階的に慣らす

いきなり完璧を目指すと失敗します。

まずは週2〜3回、30分の朝活から始めましょう。それに慣れたら週4〜5回に増やし、時間も45分、1時間と延ばしていきます。

「できなかった日」があっても自分を責めないこと。朝活は義務ではなく、人生を豊かにするための手段です。柔軟に、楽しみながら続けることが何より大切です。


朝活で何をする?時間帯別おすすめ活動

「朝活の時間は作れたけど、何をすればいいの?」

ここでは、起床後の時間の経過に合わせた最適な活動をご紹介します。

起床直後〜30分:ウォーミングアップの時間

起床直後は、脳も体もまだ完全には目覚めていません。まずは体と脳を起こすことに専念しましょう。

おすすめ活動:

  • 朝日を浴びる(5〜10分)
    • カーテンを開ける、ベランダに出る、散歩に出かける
    • 体内時計をリセットし、セロトニン分泌を促進
  • 水を飲む(コップ1杯)
    • 睡眠中に失われた水分を補給
    • 腸を刺激して体を目覚めさせる
  • 軽いストレッチ(5〜10分)
    • 全身の血流を促進
    • 筋肉をほぐして体温を上げる
  • 朝食を食べる
    • 胃腸を動かして活動モードに
    • 脳のエネルギー源であるブドウ糖を補給

起床30分〜2時間:脳のピークタイム

茂木健一郎氏が言う「ゴールデンタイム」の始まりです。この時間は、思考力や創造性が最も高まる時間帯

おすすめ活動:

  • 企画書や提案書の作成
    • 新しいアイデアを生み出す作業に最適
    • ゼロから何かを作り出す創造的な仕事
  • 難しい勉強
    • 資格試験の難解な問題
    • 論文や専門書を読む
    • 新しい言語や技術の学習
  • 重要な意思決定
    • 人生やキャリアの重要な選択
    • ビジネスの戦略立案
  • 文章を書く
    • ブログ記事の執筆
    • 小説や創作活動
    • 日記で思考を整理

避けるべき活動:

  • 単純な暗記作業(夜の方が効果的)
  • メールの返信(もったいない使い方)
  • SNSのチェック(時間を奪われるだけ)

起床2〜3時間:アウトプットとアクティブ活動

菅原洋平氏が指摘する「起床4時間後のピーク」に向かう時間帯。体温も上がり、運動にも適した時間です。

おすすめ活動:

  • 前日の復習・確認
    • 前日に勉強したことをテスト
    • 記憶の定着を確認
  • 運動
    • ジョギング、ウォーキング
    • ヨガ、筋トレ
    • 体温と代謝を上げて1日を活動的に
  • 人との交流
    • 朝活イベントへの参加
    • カフェでのモーニングミーティング
    • オンライン朝活コミュニティ

クロノタイプ別のおすすめ時間の使い方

朝型の人

  • 起床後すぐから高度な知的作業ができる
  • 5〜8時が最も集中できる時間帯
  • この時間に最重要タスクを詰め込む

中間型の人

  • 起床後30分〜1時間のウォーミングアップが効果的
  • 6〜10時頃が調子の良い時間
  • 柔軟に活動内容を調整できる

夜型の人

  • 起床後1時間は無理せず、軽い活動から
  • 朝日を浴びることと軽い運動を優先
  • 重要な作業は午後に回す勇気も必要

まとめ:朝活は「何時から」より「あなたに合っているか」が重要

ここまで、朝活の最適な時間について、脳科学とクロノタイプの観点から解説してきました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。

この記事の5つのポイント

1. 一般的には5時〜7時だが、個人差が大きい

朝活の時間に絶対的な正解はありません。多くの人が5時〜7時に活動していますが、あなたの生活リズム、仕事の開始時間、そしてクロノタイプに合わせた時間設定が最優先です。

2. 脳のゴールデンタイムは科学的に証明されている

起床後2〜4時間は、脳がリセットされ、セロトニンやドーパミンなどの脳内物質が分泌される特別な時間。思考力・集中力・創造性がピークに達するこの時間を活用することで、1日の生産性が大きく変わります。

3. クロノタイプ(朝型・夜型)は遺伝子で決まる

あなたが朝型か夜型かは、約50%が遺伝子によって決められています。PER3、CLOCK、BMAL1などの時計遺伝子が、あなたの最適な活動時間を左右しているのです。無理に自分の体質に逆らうよりも、自分のタイプを活かすことが成功の鍵です。

4. 夜型の人は無理な朝活は逆効果

東京医科大学の研究が示すように、夜型の人が無理に早起きすると生産性が低下し、「社会的時差ボケ」のリスクがあります。夜型の人は、プチ朝活(15〜30分)から始めるか、午後の時間を有効活用する「午活」も検討しましょう。

5. 計算式で自分に合った時間を見つける

起床時間 = 仕事開始時間 - 朝活時間 - 準備時間 - 通勤時間
就寝時間 = 起床時間 - 必要な睡眠時間(7〜8時間)

この計算式を使って、睡眠時間を確保した上で、自分に合った朝活時間を見つけてください。

あなたへのメッセージ

「早起きは三文の徳」という言葉に縛られる必要はありません。

大切なのは、自分の体質と生活リズムに合った時間の使い方を見つけること。朝型の人は朝を、夜型の人は夜を、それぞれのゴールデンタイムを最大限に活用すればいいのです。

SNSで「5時起き」「朝活で人生が変わった」という投稿を見て焦る気持ちもわかります。でも、あなたはあなたのペースで大丈夫。

週2〜3回、30分からでも十分効果があります。

まずは自分のクロノタイプを知り、無理のない朝活計画を立ててみましょう。楽しく、心地よく続けられる朝活こそが、あなたの人生を豊かにする朝活です。

さあ、明日の朝から、あなただけの朝活を始めてみませんか?


参考文献・出典

[1] 茂木健一郎 - 脳科学者が勧める「朝時間」の使い方 | THE21 ONLINE (2024)

[2] 菅原洋平『脳にいい24時間の使い方』フォレスト出版 | NTT東日本 (2017)

[3] 樺沢紫苑『学びを結果に変える アウトプット大全』サンクチュアリ出版 | Precious.jp (2020)

[4] 陳琦「ステレオタイプをなくす: 夜型の再評価-職場におけるクロノタイプ多様性と潜在的メリット」早稲田大学 (2023)

[5] 三島和夫「社会的ジェットラグと睡眠」学術の動向 24.8 (2019)

[6] 志村哲祥ほか「クロノタイプと生産性の関係」Sleep Medicine誌 | 神戸新聞 (2022)

[7] 宮崎亮ほか「朝型・夜型遺伝子と身体活動量の関係」島根大学 | Wellulu (2024)

[8] 時計遺伝子とクロノタイプ | ジーンクエスト

[9] Framingham Heart Study「朝のコルチゾールと認知機能」Neurology (2018)

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